自宅の音楽ファイルを合法的にインターネット越しに聴くために

2003年05月21日付け日経トレンディ記事「iTunes4の音楽共有機能は違法か?」に次のような記載がある。

JASRACでは、iTunes4が持つ共有機能に関して調査を進めている段階であり、この時点で結論は出せないとしつつも「家庭内LANはもちろん、インターネット経由であっても自分や家族が聴く分には問題ない」(野方英樹ネットワーク課長)とキッパリと明言。

日経トレンディ「iTunes4の音楽共有機能は違法か?」 より

共用サーバー上にコンテンツを置くと、自分専用であってもサーバーを設置した業者が送信主体と見做されてまずい場合があるが、iTunes4のように自宅にサーバーがあれば、「インターネット経由であっても自分や家族が聴く分には問題ない」ということになるようだ。

iTunesのこの機能は、残念ながら違法に使用されることが多かったという理由でバージョン4.0.1では廃止されてしまったという。しかし、自宅にWEBDAVサーバーを置き、認証をかけてSSLで暗号化し、誰にもアドレスを教えなければ同じことができ、紛れもなく自分専用だから日本の著作権法上も問題がないはずだ。

VMware Workstation 12.1.0 Playerを自宅のクライアントPCに導入し、Windows10をホストOS、Ubuntu 14.04.3 LTSをゲストOSとして仮想PCを立ち上げて実験。デフォルトでは仮想マシンのIPアドレスがNATに隠れようとするので同じサブネットを共有するようにしないといけないが、それ以外には特に困難なく、Apache2のインストール、SSLの設定、WEBDAVの設定、DNSの設定に成功。AndroidのESファイルエクスプローラを使ってインターネット越しにWEBDAVにアクセスできた。

あとは仮想マシンの設定を実機に移し、Android側でWEBDAVに対応した音楽プレイヤーを見繕い、SSLで必要になる証明書をサーバーとAndroid機にインストールし、自宅のブロードバンドルーターの443番ポートを開けてサーバー実機に転送する設定をするだけでOK。

私が探した限りでは、ArmAmp Music PlayerというAndroidアプリが要求仕様に一番ぴったりくる音楽プレイヤーだった。これで自宅のWEBDAVサーバーにある音楽ファイルをインターネット越しに聴くことが出来るようになった。手間さえ掛ければ現行法の下でも何とかなるものだと思った。