中国に無駄金を使わせる、と言う発想

外交のファンタジスタの7月18日付のエントリー「中国に無駄金を使わせろ」において、次のような指摘がなされていた。

現在アメリカは、SDIの系譜を引き継ぐ「ミサイル防衛(MD)」を東アジアに展開させようとしている。韓国はともかく、日本と台湾にMDを導入するのは明らかに対中政策の一環である。

アメリカは、ライバル国の軍事費を圧迫させるとき、飛行機や戦車の数を競うのではなく、システム競争へと相手を誘う。冷戦時の経験からそれが効くと認識している。中国がMDに対抗する為に、どれほどの巨費を投じ、それを無駄にしてくれるだろうか。そしてかつてのソ連と同じように、アメリカにはかなわないと悟るだろうか。

外交のファンタジスタ「中国に無駄金を使わせろ」より

中国に無駄金を使わせる、と言う発想が秀逸であり、米国がシステム競争に持ち込んで相手を疲弊させようとしている、と言う指摘が面白い。旧ソ連と同じように弱体化してくれれば良いのだが。しかし、中国の場合、1940年代の日本と同じように破れかぶれで米・日・豪と戦争しかねない*1ように思えるのが不安材料である。従って、旧ソ連のようにいくかどうかは私には分からない。

また、同記事では仲良くしながらも喧嘩の準備はいつでもしておくこと。日本人の苦手なことだが、安心して暮らせる明日を作る為にしたたかに生きたいものだ。と述べているが、この点には大賛成である。

なかなか参考になるブログである。強く推薦する。


*1 破れかぶれで米・日・豪と戦争しかねない:根拠のない妄想のように思われるかもしれないのだが、最近10年の中国における軍国主義化、帝国主義的膨張主義、全体主義的体制、慢性的資源(石油)不足と言う状況が1930年から1940年にかけての日本と相似に見えてしまう。このような状況では開戦に踏み切らないと言う確信が持てないのである。