最近の中国の怖さ

最近の中国を見ていると、1930年から1940年にかけての日本とある意味でよく似ているような気がする。覇権主義を批判しながら自らは膨張主義丸出しの外交を展開し、軍備拡張に余念がなく、人民解放軍が政治に対し不気味な影響力を持っているように見える。その上、石油で締め上げられたらあっさりこけそうな危うさがある。事実、中国は石油を世界中で貪欲にかき集めている。

かつての日本と同様に戦争への道を中国が驀進した場合、国が大きいだけにその影響は計り知れない。日本はこのような中国に対しどうすべきなのか。

平和主義者にとっては不本意なことであるが、宥和策でいくのはナチスに対するチェンバレンと同じようなことになりそうな気がする。また、日本のようなそれなりの大国が軍事的に空白地帯であるのは非常に危険なことであるから、一方の当事者が軍拡競争を始めてしまった以上、日本側もパワーバランスを壊さない程度の軍拡が不可避となってくる。

もし中国のあり方がこのままであれば、最後には戦略核を装備しないとパワーバランスが保てなくなるだろう。また、原発のような重要施設がゲリラによるテロの対象にならないよう防護を固めなければならなくなり、内外ともに重武装を強いられる姿が目に浮かぶ。日本の将来も軍事大国かつ警察国家になるのであろうか。憂鬱な話であるが、中国の属国になって三跪九叩頭の礼を強いられる未来よりはましであろう。

ちなみに、すでに台湾経済は中国に完全に押さえ込まれており、台湾の言論も完全に中国のコントロールに入ってしまったようである。何とか台湾には頑張って欲しいのだが、本気になった中国の力の恐ろしさを感じる。

そして、明日はわが身であると思うと、本当に恐ろしい。すでに中国にオペレーションされているかのように見える政治家は多いし、マスコミは言うに及ばずであるから、決して台湾の現状は人事ではない。

中国のことを意識すればするほど恐怖感しか湧いて来ないが、負けては居られない。選挙権を持つ身としては、戦略的な発想が出来る人物を選ぶことが今最も大切なことだろう。そういう意味で、小泉総理大臣は戦後の総理大臣の中ではトップクラスに評価できる。しかも、それを理論ではなく本能的にやってのけているように見えるのが凄いところである。もちろん、個々の事案では誤りもあるようだが、大局観があって基本線を踏み外さないのが良いと思う。