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Maple Leaf Diary -楓葉日記-

過去の日記
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2020-05-24 (Sun)

Updated: 2020-05-26 12:52 by Kaoru Norimoto

[地理] 県境を越える移動を自粛せよ、という言説に違和感

コロナウイルス感染が拡大していた時期、盛んに「県境を越える移動を自粛せよ」と唱える人たちをあちらこちらで見かけた。「不要不急の」という修飾語がついてはいるものの、一部の県では他県ナンバーの車を破壊する、という犯罪も起きているという。

しかし、県境をそんなに絶対的な壁とみなす感覚に激しく違和感を持ってしまう。生活圏が県境を越えるところはそんなに珍しくない。東京都に隣接するすべての県と東京都の間はもちろんのこと、千葉県の北総地域と茨城県の常総地域も普段から人的移動が多い。利根川の両岸ともに旧下総国であり、過去には利根川の両岸が印旛県という一つの県だったことからも両者の関係の深さは納得できるものである。実際、稲敷市や稲敷郡河内町から成田市や印旛郡栄町への通勤者もかなり居て、もし県境を越える移動が(今の憲法では不可能だが)戒厳令でも出て禁止されたら成田市や印旛郡栄町の病院は機能停止に追い込まれるだろう。

そもそも、利根川自体が取手付近では江戸時代の治水工事による人工的なもので、印旛県を千葉県と茨城県(一部埼玉県も)に分割するまでは県境でも何でもなかったはずである。この他にも千葉県と茨城県には鹿嶋市と香取市のように古代から交流が深い地域があり、県境を越えて移動を自粛したら生活圏が分断されてしまう現実がある。

もちろん、県当局は生活圏を同じくする県境の両側間の移動まで自粛させるつもりはなく、だからこそ「不要不急の」という枕詞を付けるのだろうが、いわゆる自粛警察の面々にとってはそんなのは関係なく、他県ナンバーを見ると悪即斬、とばかりに攻撃するのだろう。しかし、そんなに県境を絶対視できる感覚というのがどうしても分からないのである。

参考


2020-05-23 (Sat)

Updated: 2020-05-26 12:50 by Kaoru Norimoto

[サイト管理] SSL化は終了したけれど

当サイトの常時SSL化の作業はほぼ終了し、httpでのアクセスはhttpsにリダイレクトされるようになりました。主要なブラウザでhttpsではなくhttpでアクセスしていると警告が出るようになり、急速に各サイトの常時https化が進んだことから、当サイトでも追随することにいたしました。

もう歴史的アーカイブ同然の当サイトをいまさら常時https対応にしても仕方がないと思わないでもなかったのですが、サイト管理に夢中だったあの頃の遺産を永らえさせるためにという動機が一つ目、そして常時SSL化の作業それ自体を経験してみようと思ったのが二つ目の動機でした。

これがきっかけでgoogleが再クロールすることになるのかもしれませんが、内容の薄いページが多いので、かえってインデックスからの除外を招いて逆効果になるのかもしれません。やっちゃった感がしないでもないです。

また、常時SSL化といっても、当サイトのような共用サーバーでは1IPアドレスに複数ドメインが同居することになるため、SNI(Server Name Indication)に対応したブラウザでないとアクセスできません。また、当サイトが使っておりますサーバーはSSL2.0やSSL3.0には非対応で、TLS1.0やTLS1.1への対応もいつまで続くかわかりません。必然的にIE6以前のブラウザやWindows XP以前のような古い環境を切り捨てることになります。これらの環境はセキュリティー上のリスクなので淘汰すべし、というのがウェブ界隈のコンセンサスになっている現状では良いことと考えるのでしょうが、HTMLがこれまで考慮してきた後方互換性とは何だったのか、ちょっと寂しい気分にはなってしまいます。

古いサイトだけあって2014年ごろまではNetscape 4.xからのアクセスがありましたし、現在でもIE6からのアクセスがあるようです。今回それらをバッサリ切り捨てたことになります。敢えてhttpでアクセスできる別サーバーを用意して超シンプルな別バージョンのページを作ってみようかと考えるこの頃です。

[医学] 検査はやれば良いというものでもない点について

どんな検査でも感度と特異度というものを考えることができます。感度とは実際に病気である人を正しく陽性と判定する率、特異度とは実際に病気でない人を正しく陰性と判定する率です。

現在問題になっているコロナウイルスに対するPCR検査の場合、感度は良くて70%、特異度は99%くらいと言われています。

仮に総人口100万人のうち患者が1000人発生している県で全員にこの検査を施行した場合、

実際に病気あり実際に病気なし合計
検査陽性700999010690
検査陰性300989010989310
合計10009990001000000

本当は700人治療・隔離すれば良いのに、10690人も収容施設が必要になることになります。一方、300人の人が野放しになってしまい、病原体をばらまく可能性が出てしまいます。罹患率が低い場合は無駄な病床がたくさん必要になるという面が強くなってしまいます。陽性者のうち真に患者であるのは10690人中たった700人。これを陽性反応的中率と言いますが、何とたったの6.5%程度に過ぎません。

これが流行が進んで本当は10万人の患者が居る状態になった場合は、

実際に病気あり実際に病気なし合計
検査陽性70000900079000
検査陰性30000891000921000
合計1000009000001000000

この状況では陽性と出た79000人のうち本当に患者なのは70000人ですから陽性反応的中率は88.6%です。この段階では陽性と出た人はまず患者でしょう。その一方で30000人を野放しにするというリスクが出て来ます。

つまり特異度が高くても感度が低い検査は罹患率が低い段階では非効率的、罹患率が高くなると今度は見逃しのリスクが表面化してしまうことになります。どちらの場合でもやれば良いとは言えません。

検査の大原則として、検査結果によりやるべきことが変わらないのであれば、その検査はすべきではない検査です。この検査の特性から見れば、大流行となった場合は検査が陰性であっても見逃しが多いので、無症状な人は検査が陰性であろうと陽性であろうと家に籠っていてもらうことになるので、無症状者のスクリーニングとしてみた場合にはむしろやってはいけないとさえ言えてしまいます(偽陰性者が安心して出歩かれると困る)。

しかし、すでに肺炎を起こしてしまっていて事前確率が20%くらいあるのであれば、検査が陽性なら専用の施設に隔離して集中治療ができるようにすることになります。事前確率が20%の場合は高い特異度が効いて偽陽性はあまり問題になりません。この場合は検査で治療が変わるので検査はやるべきものになります。

このように感度は低いが特異度が高い検査は事前確率が高い時には紛らわしさが少ないので、怪しい人の確定診断向きと言えますが、スクリーニングに使うと見逃しが多くて困ることになります。

それでは、逆に感度99%、特異度70%の検査ならどうでしょうか。罹患率10%の場合、100万人にこの検査を行うと、

実際に病気あり実際に病気なし合計
検査陽性99000270000369000
検査陰性1000630000631000
合計1000009000001000000

野放しは1000人に減りましたが、陽性者が369000人出てしまいました。このうち真の陽性は99000人ですから、このままでは病院がパンクします。この検査だけに頼るのは不可能です。

しかし、二次検査から見たこの陽性者集団は事前確率が26.8%ありますから、確定診断のために先ほどの検査をすると、

実際に病気あり実際に病気なし合計
検査陽性69300270072000
検査陰性29700267300297000
合計99000270000369000

新たに29700人が野放しになり合計30700人が陰性判定を受けますが、陽性者は72000人となり、この検査をいきなりスクリーニングに使った時よりも7000人ほど負担が減っています。トータルでは700人偽陰性が増えますが7000人偽陽性が減ります。

実際には感度99%で特異度70%という検査はそうありませんから、あくまでも架空の検査ですが、スクリーニングは感度の高い検査、確定診断は特異度の高い検査というのは定石ともいえる検査の組み合わせです。

いずれにしても検査はやれば良いというものではなく、やるとかえって害をもたらすという場合もあるものですので、PCR検査を事前確率の高い集団に限って行う、という日本流の考え方はそれなりに正当性のある考え方だったと言えると考えます。


2020-05-07 (Thu)

Updated: 2020-05-07 23:51 by Kaoru Norimoto

[サイト管理] SSLを有効にしたことに伴うメンテナンス作業中

2020年5月6日より当サーバーでは設定上SSLが有効になっており、それに伴うメンテナンス作業中です。現在httpとhttpsが混在しているページが大量にあり、対策できていないページをhttpsで読み込んだ場合、ブラウザにより一部のファイルがブロックされた結果、表示が崩れるなどの副作用が出る場合があります。順次訂正しておりますが、一部に閲覧不能のページが出る可能性がありますことをおことわり致します。


2019-10-09 (Wed)

Updated: 2019-10-09 20:24 by Kaoru Norimoto

[雑事] 数秘術という占術のマスターナンバーが持つ異物感

数秘術という占術がある。流派によって細目は違うが、共通するのは生年月日や名前などを数値に置き換え、さらに数値の各桁の和を求める操作を結果が一桁になるまで繰り返すことである。例えば、2014年9月21日であれば、2+0+1+4+0+9+2+1=19、1+9=10、1+0=1という操作を順に行う。結果は20140921という8桁の10進数の数字根になり、1以上9以下の自然数である。9を0とみなせば、9で割ったときの余りでもある。言い換えれば、9を法とする剰余類を作る操作とも言える。いっそのこと、元の10進数を9進数にしてしまえば、1の位の数値で結果は一目瞭然だ。

10進数を扱っているのに9進数が出て来てしまったが、これはこれで綺麗な体系である。しかし、10進数でゾロ目になる値、特に11、22、33をマスターナンバーと呼んで特別扱いする流派が多いようである。9進数にしてしまえばそれぞれ12、24、36であるから、それぞれ2、4、6の仲間なのは明らかなのだが、なぜかこれらは特別視されてしまう。これがどうにも異物感があって気持ち悪い。9進数の世界になりきれずに10進数が存在を主張している感じがする。自分の生年月日を10進8桁化すると19600926だから、1+9+6+0+0+9+2+6=33なので思い切り当事者なだけに、このことが妙に気になってしまう。


2019-09-22 (Sun)

Updated: 2019-09-22 14:33 by Kaoru Norimoto

[気象] 「超大型で弱い台風」や「ごく小さく猛烈な台風」はあったのか調べてみた

神奈川県と千葉県を中心に2019年9月9日時点で93万戸に停電をもたらした令和元年台風第15号。この台風は小さくとも中心付近の気圧傾度が大きく、非常に強い風が吹いた。最大瞬間風速が千葉で57.5m/s、成田で45.8m/sというのだから関東では尋常ではない。こういう小さくても強い台風としては平成19年台風第11号が記憶に残っている。

昔は台風の強さとしてTS(Tropical storm)強度の台風に「弱い」、STS(Severe tropical storm)強度の台風に「並みの」という修飾語をつけていたし、大きさについても「ごく小さい」「小型」「中型」という形容があった(定義の歴史的変化については「デジタル台風:台風の強さと大きさ - 気圧と風速の単位」に詳しく載っている)。

その中で、「超大型で猛烈な台風」、「ごく小さく弱い台風」というのは想像しやすいが、逆に「超大型で弱い台風」、「ごく小さく猛烈な台風」というのは存在したのだろうか。過去の記録を調べてみた。

まず「超大型で弱い台風」であるが、平成19年台風第14号2007年9月30日の日本時間午前9時(画像はリンク先)にこの状態だったようである。ちょうど台風に昇格したばかりの状態で、この台風はいきなり超大型で「発生」したということになる。中心気圧994ヘクトパスカル、最大風速35ノット(約18m/s)という強さと強風域の半径450海里(約850㎞)という大きさが妙にちぐはぐに感じる。大きすぎて雲がまとまらないのでは、という気がするが、それでもその後STS強度にはなってベトナム北部に相当な被害をもたらしたそうである。

次いで「ごく小さく猛烈な台風」であるが、残念ながら見つけることはできなかった。「小型で猛烈な台風」なら数例見つけることが出来た。例として平成26年台風第13号2014年8月8日日本時間午前3時(画像はリンク先)の状態を挙げておく。強風域の半径120海里(約220㎞)の大きさで中心気圧915ヘクトパスカル、最大風速110ノット(約55m/s)というのだから凄い。

ごく小さい台風では先に挙げた平成19年台風第11号が最強だったようで、「ごく小さく非常に強い台風」である。2007年9月14日日本時間午後9時(画像はリンク先)の時点で強風域の半径がわずか100海里(約190㎞)なのに中心気圧935ヘクトパスカル、最大風速100ノット(約50m/s)。あと5ノットで「猛烈な」勢力になるところだった。

こういう小さくても強い台風に直撃されたらいきなりガツンとやられるわけで、「小型で強い」というのは十分怖いのだが、残念ながら「ごく小さい」「小型」という表現は防災上油断をもたらすとして廃止されてしまっている。確かに、多数を占める「小型で弱い台風」というのは雨が弱いことは意味していないので、水害に対して油断させたくないというのは理解できるのだが、このような小さくて強い台風を表す良い言葉がない。報道では「コンパクト」という表現が使われたようだが、一般にはそれほどインパクトがなかったようである。単なる小型の台風として捉えられてしまったからではなかろうか。昔はこういう時に俗に「豆台風」といったようだが、現代では同様に単なる小さな台風として捉えられてしまうようで、なかなか難しいと思う。



平成16年4月11日開設
平成17年4月17日移設
乗本 knorimoto
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