数秘術という占術のマスターナンバーが持つ異物感

数秘術という占術がある。流派によって細目は違うが、共通するのは生年月日や名前などを数値に置き換え、さらに数値の各桁の和を求める操作を結果が一桁になるまで繰り返すことである。例えば、2014年9月21日であれば、2+0+1+4+0+9+2+1=19、1+9=10、1+0=1という操作を順に行う。結果は20140921という8桁の10進数の数字根になり、1以上9以下の自然数である。9を0とみなせば、9で割ったときの余りでもある。言い換えれば、9を法とする剰余類を作る操作とも言える。いっそのこと、元の10進数を9進数にしてしまえば、1の位の数値で結果は一目瞭然だ。

10進数を扱っているのに9進数が出て来てしまったが、これはこれで綺麗な体系である。しかし、10進数でゾロ目になる値、特に11、22、33をマスターナンバーと呼んで特別扱いする流派が多いようである。9進数にしてしまえばそれぞれ12、24、36であるから、それぞれ2、4、6の仲間なのは明らかなのだが、なぜかこれらは特別視されてしまう。これがどうにも異物感があって気持ち悪い。9進数の世界になりきれずに10進数が存在を主張している感じがする。自分の生年月日を10進8桁化すると19600926だから、1+9+6+0+0+9+2+6=33なので思い切り当事者なだけに、このことが妙に気になってしまう。