日本は原子力技術を放棄してはならない

WEDGE Infinityの2013年8月28日付け記事「映画『パンドラの約束』特別インタビュー なぜ環境保護派が原子力を支持するのか」に以下のような一節があった。

私は日本の人々に、世界最高の、最新鋭の原子炉─ゆるぎない安全性を備え、モジュール式の原子炉を有し、排出した廃棄物を自ら処理することができるような─を開発するために、その特筆すべき技術力を発揮することを勧めたい。

それこそが、福島で起きてしまった悲劇の遺産を正面から受け止め、日本経済を蘇らせるために、また気候変動を抑止する取り組みにおいて日本が国際的なリーダーシップを発揮していくために最善の方法なのではないかと思うのです。

WEDGE Infinity「映画『パンドラの約束』特別インタビュー なぜ環境保護派が原子力を支持するのか」 より

また、

日本は、地球上で最も洗練された最新技術でもって、現在の原子力施設を取り替えることに投資するべきです。このことは、日本のエネルギー供給の自活を維持し、全く新しい輸出産業を発展させ、世界中の羨望を日本に集めるでしょう。

今日の状況のように、化石燃料に立ち返る一方で、エネルギーの自活を決してもたらさない再生可能エネルギー施策に浪費し続けるのはとんでもない大間違いである。私はそう考えています。

WEDGE Infinity「映画『パンドラの約束』特別インタビュー なぜ環境保護派が原子力を支持するのか」 より

とも述べている。

全く賛成である。福島原発事故は人為的なミスでもあるが、技術の敗北でもあった。技術的失敗は技術で落とし前を付けて欲しいとかねてから考え、そうした意見も表明してきた。第4世代の原子炉の安全性はずいぶん向上しているが、フェイルセーフであるとともに、モジュール化を推進して廃棄物処理まで全自動で出来るようにしないと完成形とは言えないと思う。これからも原発が世界で使われ続ける以上、巨大技術を忌避している場合ではない。技術(テクノロジー)の失敗を解決するのも、やはり技術の力でなくては不可能であり、逃げてはいけないと切に思う。