日本人の忍耐力に欠ける民族性が心配だ

2012年12月5日付けの日経ビジネスオンライン収載の記事「今再び「海防」に目覚めよ」において佐々淳行氏曰く、

海上保安庁の巡視船を増強する必要があります。巡視船艇の数は現在350隻ほど。日本の広い領海をカバーするには足りません。それに、装備がどうにも不足している。ほとんどの船が12.7ミリ機関銃しか装備していない。これに対して、向こうの船は漁業監視船でさえ30~40ミリ砲を積んでいる。同じ程度の装備にしないと、いつか殉職者が出ますよ。

そうなると、日本人はすぐに激高して、「海上自衛隊が出て中国公船を撃沈しろ」と言い始めるに違いない。「一億玉砕、鬼畜米英」と言っていたのに、一夜にして総懺悔に変わった民族だからね。日露戦争の時も、ポーツマス条約で小村寿太郎が賠償金を取れなかったと、焼き打ちをやった。日本人は、そういう恐ろしい民族性を持っていることを自覚すべきです。

日経ビジネスオンライン「今再び「海防」に目覚めよ」 より

という。全く同感である。日本国と日本人は我慢すべきところは我慢し、戦争が避けられない場合でも、相手に核兵器以外の手段で先に手を出させることに徹するべきだ。

将来日中開戦がもしあった場合、第三次世界大戦にまで発展するリスクは無視できないほど高い。ここで我慢できずに第二次世界大戦の真珠湾攻撃の時のような先制攻撃を日本がしてしまってはいけない。あくまでも向こうに先に手を出させ、大義名分を得たうえで徹底的に反撃して完膚なきまでに敵を叩き潰すのでなければ、戦争に敗北してしまう確率が高くなる。

避けられるならばやってはいけないのが戦争だが、どうしても避けられない戦争ならば負けてはいけない。それが第二次世界大戦の教訓のはずだ。第二次世界大戦に於いて、国力も海軍力も空軍力も補給体制もすべて格上のアメリカ相手に真珠湾攻撃をやらざるを得なくなった時点で、70%日本が負けていたということを改めて思い起こさねばならない。

万一の開戦時には、人民解放軍よりも軍事力に於いて総戦力で1.7倍以上、局地戦力で3倍以上である状態で、向こうから先に通常戦力により手を出させること。そのための軍備増強と我慢のために必要というのなら、防衛費を台湾並みのGDP比3%にしても良いと考えている。消費税と所得税が大幅に上がるだろうが、仕方がない。

繰り返すが、中韓の挑発に激高してはいけない。まして、国家や軍と民族をごっちゃにして朝鮮人や中国人は出て行けというデモを盛り上げるなどは愚行の最たるもの。敵として意識すべき対象は中国共産党の人民解放軍や国家としての大韓民国であって、中国人や韓国人ではない。中国人や韓国人に八つ当たりする暇があるなら、万一の戦争に負けないための準備を黙々と進めていくべきだ。

その意味で、日本人の忍耐力に欠ける民族性が心配である。