XHTMLでなくHTML4.01を使うわけ

最近のブログツールはXHTMLベースのものが多いらしく、読者がソースを見たときにHTML4.01 StrictでHTMLを吐き出す仕様のtDiaryが古臭く感じられるかもしれない。しかし、ブログやウェブページで今XHTMLを使うことにメリットはあるのだろうか。また、2009年の現在、HTML4.01を使うことは一部の人が主張するように陳腐で顰蹙ものなのだろうか。

Googleで「google:XHTML メリット」という語句で検索すると、いくつかのサイトが出てくるが、一部を除いていまいち説得力に欠ける。ユーザーエージェントとして普通のブラウザを想定した場合、XHTMLでは面倒*1が出ることはあってもメリットが享受できることはなさそうだ。整形式で書くことでのメリットはあるかもしれないが、HTMLでそういう風に書けば良いことだし、StrictなHTMLを使っている限りはそれで困ることはなさそうだ。「World Wide Web Guide」というサイトの「XHTMLのメリット」というページには、

現時点における、XHTML のメリットはありません。逆に XML宣言を行うことで UAの実装によっては問題が生じるなどデメリットの方は確実にあります。XHTML1.0, XHTML1.1はXMLベースに移行することを目的としているだけで、まだまだ従来のHTMLとXHTMLの間の架け橋となる仕様でしかありません。このため現時点においてXHTMLに移行したからといって、特別何か新しいことが出来るようになるわけではありません。(中略)なお、XHTMLのメリットを享受しないという場合は、HTML4.01に準拠することが認められています。つまり、XHTMLだから従来のHTMLだからどうのこうのではなく、根本的なことは HTMLが構造付けをするマークアップ言語であることにあります。構造指定のために、現在の HTMLからXHTMLに移行する必要はありません。従来の HTMLでも構造と表示を分離できていれば基本的には同じです。(強調は引用者による)

World Wide Web Guide「XHTMLのメリット」 より

とある。

上記のうち、構造指定のために、現在のHTMLからXHTMLに移行する必要はありませんという部分が非常に重要だと思う。というわけで、静的に生成したウェブページもtDiaryに合わせてHTML4.01に戻すことにした。

それにしても、ブログパーツなどの貼り付け用のタグがHTMLの仕様に適合していないものが多いのは困ったものだ。仕様に適合するように修正するだけで面倒なのである。

追記

メタデータを文書に埋め込む場合にはXHTMLのメリットが出てくるのは当然のことである。上でXHTMLにメリットがないとしたが、そういう使い方をしない場合の話である。(2009年9月9日追記)

*1 面倒:例としては、Windows版 Internet Explorer 6ではXML宣言を記述することで強制的にレンダリングモードを後方互換モードに切り替えてしまうバグがあること、Internet ExplorerがWebコンテンツとしてアクセスできるXHTML文書のMIMEタイプはtext/htmlでなければならないという実装など。