JR東海会長の中国警戒論と「のぞみ」と言う列車名

葛西敬之・JR東海会長が、27日付の読売新聞紙上で、いわゆる中国脅威論を展開した、とのJR東海会長、読売新聞で「中国脅威論」を展開 2005/03/27(日) 20:26:19の記事であるが、こうした論自体は決して珍しいものではない。氏の発言として伝えられる「中国の狙いがアメリカを排除した共同体構想に日本を引きずり込み、良好な日米関係に楔(くさび)を打ち込むことにあることは、想像に難くない」との発言内容も特に耳新しいものではない。

ところで、JR東海と言えば新幹線。その列車名である「ひかり」、「こだま」、「のぞみ」であるが、「ひかり」、「こだま」の時はともかく、「のぞみ」の時は、当時すでに中国に新幹線を売る話があったと言うのに、何故中国の神経を逆撫でするような列車名を1度ならず2度もつけるのか、とその時はすごく不思議に思った。というのは、「のぞみ」という列車名が付けられたとき、中国が予想通り不快感を表したのである。歴史を遡れば、「のぞみ」も「ひかり」も往年の鮮満連絡特急の列車名。中国が不快感を表明しない方が不思議だ。

しかし、JR東海が今回のような認識を早くから持っていて、中国に新幹線を本当は持っていきたくないと考えていたのなら、「のぞみ」という列車名を回避しなかったのも納得できる。「のぞみ」という列車名の持つ意味は存外重いのかもしれない。