foobar2000でアップサンプリング、不思議に音が良くなったのは何故?

foobar2000という音楽再生ソフトにプラグインを入れることで容易にアップサンプリングを試してみることが出来る。色々試してみたが、自分のPCでは44.1kHzや48kHzの音源は4倍のアップサンプリングの時が一番音質が良くなるようだった。

ちなみに、44.1KHz、16bitのFLACファイルをfoobar2000でRAMDISKコンポーネントを使ってオンメモリの状態にし、foobar2000のコンポーネントで176.4kHz、32bitにアップサンプリング、やはりfoobar2000のコンポーネントでバイノーラル化する。この信号をWASAPI排他モード下でONKYOのサウンドカードSE-200PCIに送り込み、アナログ出力を抵抗器により20dBダウンしてヘッドホンアンプSCA-7511に入力、AKGのK712proというヘッドホンで音楽を聴いている。

今回音質がアップサンプリングで向上したように思える件だが、理屈の上ではこれは理解しがたい。アップサンプリングが完璧であっても、録音されていない信号が付加されるわけでもないし、逆にノイズリダクションがかかるわけでもないはずだ。折り返し雑音が生じる周波数を可聴周波数のはるか上に追いやる効果があると言われてはいるが、50代後半の自分の耳ではそもそも可聴周波数閾値は14kHzくらいなので、説明になってない。

また、DACの内部処理として8倍のオーバーサンプリングがなされているという。それだったら、44.1kHzの信号をビットパーフェクトの状態でDACに突っ込んだ方が結果が良くなりそうなものだ。

そんな疑問を持っていたら、「藤本健のDigital Audio Laboratory」2016年7月11日付記事「『アップサンプリング』で音は良くなる? 変わらない? 独自手法を提案する技術者に聞く」にこんな記載を見つけた。

その効果の有無について、以前このDigital Audio Laboratoryでの取材でひとつ納得できたのは、ウォークマンNW-ZX1についてソニーの開発エンジニアにうかがった際の回答だった。それは「16bit/44.1kHzで使うアンプやDACと、24bit/96kHzや192kHzといったハイレゾを再生する場合のアンプ/DACでは違う回路を利用する形になっており、当然ハイレゾのようのほうが、より高品質で繊細なサウンドを再現できるようになっている」というもので、明らかに音がよくなるという理由は納得できる。

でも多くのオーディオ機器ではCD用とハイレゾ用の回路を二重に持っていたりはせず、同じDAC、同じアンプを通して音が出るから、劇的な音の変化などないように思えるが、「効果があるという人と、効果がないという人がいるのは、DACのせいかもしれない」と話すのが中田氏だ。それはどういう意味なのか。

(中略)

通常、こうしたDACの場合、最高でも192kHzまでのサンプリングレートの信号しか入力できないが、いずれのサンプリングレートであっても、このオーバーサンプリング回路によって8倍にアップサンプリングされる。このため、あらかじめ精度の高い計算で96kHzや192kHzにコンバートされた信号を突っ込んでおけば、このオーバーサンプリングの精度が低くても、その影響を受けにくく、結果として「いい音」になる可能性がある、と中田氏はいう。つまり演算精度の低いDACを使っている場合、事前に高い精度のアップサンプリングをしていれば音質が向上する可能性があるが、そもそも高い精度のものならば、それほど変わらない結果になるだろうと推測しているわけだ。

そういうことなのかもしれない。当該PCに刺さっているサウンドカードはONKYOのSE-200PCIで、アナログ出力をヘッドホンアンプに入力して音楽を聴いている。決してお高いとは言えないSE-200PCIに搭載されたDACにおける内部処理の精度が中程度以上のUSB-DACより低くても不思議はない。結果としてPC側でのアップサンプリングの意味が出てしまった、ということなのだろう。

アップサンプリングの効果に対する意見が人により違うというのにこういった事情があるとしたら、私のようにコストパフォーマンスを求める「ながら聞き」のためのシステムでこそfoobar2000のリサンプラーコンポーネントがより活躍できるということになる。

そして、本気でシステムを組んだらどうなるか。演算精度を追求していくとどうなるか。その答えを体験することは自分には出来そうにない。そこまでオーディオシステムにお金をかける動機がないからである。