A5完全版3D動作確認情報

iMacでもA列車

IBM-PCエミュレータでA5を動かす

はじめに

2002年1月、アップルから新型のiMacが発売されました。このマシンは、電気スタンドのような斬新な外見でアピールし、あっという間に大人気となってしまいました。そして、搭載されたマックOS Ⅹは、マックの使いやすさとUNIXの安定性を兼ね備えており、評価が高いものです。

マックの世界では、少数派のハンディを補う意味でしょうか、IBM-PC専用のソフトを動かすためのIBM-PCエミュレータが昔から良く使われてきました。エミュレータ、というとアングラと思う人も居るかもしれませんが、何の問題もなく市販されています。IBMもマイクロソフトもアップルに潰れてもらっては困るので、提携関係は暫く続くでしょう。そのようなわけで、このようなエミュレータの正当性には疑問はありません。

ここで取り上げるのは、connectix社から出ているVirtual PC for Mac Ver.5というIBM-PCエミュレータです。ウィンドウズXPやウィンドウズMeが同梱されたものもありますが、今回用いましたのは、PC-DOS2000が同梱されたものです。OSではなくPCのエミュレータなので、IBM-PC互換機で動くOSなら何でもインストールできます。そこで、今回はウィンドウズ98をiMacに仮想的にインストールし、そこにA5完全版の初期版をインストールしてみました。本ページでは、その実験結果について報告いたします。

なお、このプログラムはハードウェアアクセラレーションをサポートしていません。従って、Direct3Dもソフトウェア的に実現することになります。したがって、製造元でも3Dゲームはお勧め出来ない、と明記しております。パフォーマンスについては期待できないことを覚悟の上の実験です。ご承知置きください。

実験の方法と結果

今回は、connectix社から出ているVirtual PC for Mac Ver.5(PC-DOS2000同梱版)にまずウィンドウズ98、ついでA5完全版(初期版)をインストールします。手順は以下の通りです。

ウィンドウズ98のインストール
図1 ウィンドウズ98のインストール
iMacで見るA5完全版の開発画面
図2 iMacで見るA5完全版の開発画面
オプショナルツアーも動作
図3 オプショナルツアーも動作
  1. マックOS Ⅹを起動し、管理者でログオンします。
  2. Virtual PCをインストールします。ここで迷う点は無いと思います。
  3. 一般ユーザーでログオンしなおし、Virtual PCを起動します。
  4. 新規に仮想PCを作成します。この時、Windows98ではなく、PC-DOSを選択します。メモリは64MB以上にし、ディスク容量はデフォルトのままで良いでしょう。
  5. 仮想PCを起動します。このままではOSが無い、という警告が出ますが、フロッピーイメージをマウントします。(やり方はマニュアルに出ています。)
  6. 仮想AドライブからDOSが立ち上がり、CDを云々、と聞いてきますので、Yを選択します。
  7. 仮想フロッピーをアンマウントします。
  8. 仮想PCを再起動します。
  9. 仮想CドライブからDOSが起動します。この時点でMSCDEXがインストールされ、CDが利用できます。
  10. ウィンドウズ98のCDを挿入し、普通にインストールします。
  11. 拡張機能をインストールするなど、必要な設定を済ませます。
  12. エミュレートされるのはビデオカードがS3のTrio64、サウンドカードはSoundBlaster16です。
  13. A5完全版をインストールします。DirectXなどはここでインストールする必要はありません。
  14. A5を起動します。Aquaインターフェースの画面に、ウィンドウ表示で見慣れた画面が出ています。確かに、マックでA5が動いているのがわかります。

なお、実際には全画面モードにしないと遅くてプレイは困難です。MMXペンティアムの233MHzくらいの昔のノートPCと同じくらいの使い心地と言う感じです。3Dビューを出さずに開発に専念し、見るときはウィンドウズPCで見る、というのなら実用的です。

おわりに

確かにマックでもA5は動きました。しかし、グラフィックカードのハードウェアアクセラレーションが実現できないため、 Direct3Dを使ったゲームは、IBM-PCエミュレータでは実用的には遊べない、とされています。しかし、iMacでもかろうじてプレイ可能(昔のノートパソコン並み)なようですから、パワーマックG4の最上位機種なら何とかなりそうです。

しかし、ゲーム用には素直に安いIBM-PCを買った方が良いのは言うまでもありません。このエミュレータは、あくまでもウィンドウズ版のMS-オフィスをちょっと使うとか、マックしか持っていないウェブマスターのウィンドウズPCでの表示確認用などが正当な用途でしょう。マックOSにはクラシックな互換環境がありますが、ウィンドウズXPにはそんなものは無いので、ウィンドウズ95でしか動かない昔のプログラムをマックで復活させるのも面白い趣向です。あるいは、ウィンドウズのDOS窓で動かないDOSのゲームの復活には向いているのかもしれません。

いずれにせよ、A列車には関係なさそうな話です。