A5完全版3D動作確認情報

開発指定都市以外でもフリービルド

裏技の極致

はじめに

A5では、3Dデータの編集をユーザーに開放するのが難しいことからでしょうか、マップコンストラクションは付属しておりません。その代わりということでしょうか、「フリービルドモード」という、資金と資材を気にしないで開発が出来、他社の建物も自然には建たないので完全に思い通りの開発が出来るモードが用意されています。

しかし、残念なことに、フリービルドモードが選べるのは「開発指定都市」のみです。このマップは広々としているので、確かにフリービルドの醍醐味は味わえるのですが、他のマップもフリービルドモードで遊びたい、というのは誰しも思ったことがあるでしょう。

そこで、このページでは裏技を使ってでも他のマップを「フリービルドモード」に仕立てることは出来ないかを追求してみました。某掲示板で見かけた「a5nファイルを…」という記憶だけをヒントにやり方を探り当てましたので、100%オリジナルというわけではないことをお断りいたします。(その記述を探そうと思いましたが、今となっては見つからないようです。)

なお、これはファイル名の書き換えやバイナリエディタによるファイル内容の書き換えを伴うため、操作を誤ると危険です。かの有名な「資金書き換え技」に匹敵する程度の危険性があります。a5jフォルダ配下のmapフォルダのバックアップを取っておくなど、慎重に作業してください。また、ここにある記載内容は筆者の実験結果であり、読者の環境で同様の結果が得られることを保証するものではありません。この記事はアートディンク社とは無関係です。ここに記載の事項について製造元に問い合わせるようなことはしないでください。

実験の方法と結果

今回は、A5完全版(初期版でもエターナルでもなく、バリューパック適用済)を使用いたしました。今回は「発展する街」をフリービルド化することにします。

前提条件として、A5完全版がC:\Program Files\A5j\にインストールされているものとします。

  • エクスプローラなど、適当な方法でC:\Program Files\A5j\map\を開きます。
  • C:\Program Files\A5j\map\A5000.a5nとC:\Program Files\A5j\map\A5003.a5nのファイル名を入れ替えます。A5000.a5nだったファイルは内容はそのままで、A5003.a5n となり、A5003.a5nだったファイルはA5000.a5nとなります。
  • A5完全版をオープンし、「新規ゲーム」を選びます。図1のように、マップの順番が入れ替わっています。
入れ替わったマップの順番
図1 入れ替わったマップの順番
  • 「発展する街」をフリービルドモードでオープンします。
モード選択
図2 モード選択
  • そのままセーブします。このとき、2Dビューの地形と3Dビューの地形が矛盾していますが、気にしないでください。
  • A5完全版をクローズします。
  • バイナリエディタを使い、今セーブしたa5fファイルをオープンします。
  • 0x00C0番地を書き換え、ファイル名がA5003.a5gからA5000.a5gになるようにします。0x33を0x30に書き換えます(☆)。
ファイル名の書き替え
図3 ファイル名の書き替え
  • a5fファイルをセーブします。
  • もう一度C:\Program Files\A5j\map\A5000.a5nとC:\Program Files\A5j\map\A5003.a5nのファイル名を入れ替えます(★)。(つまり、元に戻すわけです。)
  • A5完全版をもう一度立ち上げ、先ほどのa5fファイルをロードします。
  • 「発展する街」のフリービルドモードが出来上がりました。
「発展する街」のフリービルド
図4 「発展する街」のフリービルド

なお、(☆)の作業を忘れると、次にロードしたとき2Dの地形が「開発指定地域」の地形になってしまいます。A5003.a5gを参照しようとするからです。また、(★)の作業を忘れると、次にロードしたときに3Dの地形が「開発指定地域」の地形になってしまいます。

このことを積極的に利用して、「海峡」の路線図と「開発指定地域」の2D・3Dビューを合成して、山の中に埋もれた港や地面を掘削しながら進む船を作ることが出来ますが、それはバグ技ということにしておいてください。

おわりに

こうして、「開発指定地域」以外でもフリービルドモードで楽しめるようになりました。やり方自体は裏技の極致という感じがします。バイナリエディタの扱いに慣れていない方には難しいでしょう。しかし、資金と他社物件の心配なしに他のマップも遊べると言うのは麻薬的な魅力です。某掲示板での書き込み「a5n ファイルを…」という一文の記憶だけを頼りに、このようなやり方を探り当てましたが、いかがでしたでしょうか。本格的な開発前にお金の心配なく納得いくまで配線やダイヤを研究するなど、用途は数多く考えられます。